【👁】赤いきつね炎上に失敗した放火フェミの件

こちらのページは情報をとりあえず保管しているだけです。いつかまとめるかもしれません。

しょうさい

もときじ

炎上しなかった「赤いきつね」。繰り返される非実在型炎上と、東洋水産のマッチョな企業姿勢

炎上しなかった「赤いきつね」。繰り返される非実在型炎上と、東洋水産のマッチョな企業姿勢

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小木曽 健
小木曽 健
2025.2.17
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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。
穏やかな日曜の午後に「赤いきつねが燃えているぞ」という不穏な投稿を発見。東洋水産のSNS広告が炎上しているそうで、さっそく検索したんですが……どうもそれらしいコンテンツが見当たらないんですね。

うーん、コレかなあ、でも流石にコレは違うよなぁと思ったら、まさかのソレでした(「ひとりのよると赤緑 おうちドラマ編」で検索)。

女性が部屋でテレビを見ながら「赤いきつね」を食べているアニメ。ドラマに感動し、泣きながらウマウマうどんを食べている、ただそれだけ。それを「エロい(怒)」とバッシングしている人たちがいるそうで……えっ?

「うどんを吸う音が性行為の音」(えぇっ?)「頬が赤くてエロい」(えぇぇ?)「くねくね食べる姿が性的」(?!)とまあ凄いんですよ、その発想が。あの動画を見てそんな風に思えるって、日頃から脳内で相当どエロいこと考えてないと無理だと思うんですが、大丈夫でしょうか?

この騒動は「非実在型ネット炎上」と呼ばれる、ごく一部のユーザーによる、きわめて局所的な批判ムーブであり、炎上させようと挑んだが誰にも相手にされなかったモノ、なんですが……

あるメディアが「こういった声もある」と報じた結果、あたかも炎上が起きているかのように認知されてしまったんですね。非実在型ネット炎上のお手本みたいなケースです。

大勢が見る広告ですから、それを「嫌いだ」と感じる人がいても不思議じゃない。でも少数過ぎる意見に焦点を当て「批判が」「炎上が」と報道するのは、まさに「アテンションエコノミー」そのものです。流石にそろそろ考えた方が良いのでは、と感じました。

そんなウンザリするような今回の騒動ですが、面白かったのが、とある冷静なアカウントが「この広告を批判している人たちは、そもそも広告のターゲット外なんだよ」とコメントしたところ、批判派が、

「私に赤いきつねを食べるなっていうこと!?」

と噛みつき反論。ああこれ……永遠に会話が成立しないヤツだ、とちょっと笑ってしまいました。

ちなみに今回「炎上させようとした人たち」の中に「広告コンサル」という方がいらっしゃって、この広告に対して、

男性視線だからダメ

頬が赤過ぎだからダメ

アニメは女性を性的に扱う目線が強いからリスク

みたいな分析コメントをされていたんですね。どれもご本人のお気持ちでしかないんですが、頬が赤いのは性的興奮の表現だそうで、普段どういうコンサルをされているんだろう。その方、ネット炎上広告を分析して代案を提示する活動もされているそうな。

マッチョな東洋水産
実は東洋水産が「非実在型ネット炎上」の被害者になるのは今回が初、ではなく、以前「マルちゃん正麺」のSNS広告でも、ごく少数のアカウントからホントに意味の分からない言いがかりを喰らって、それがメディアで報じられ「炎上」扱いされたことがあります。お気の毒な。

ですが東洋水産の広報は、ちゃんとポリシーを持って活動されているようで、最終的には自社広告に問題なしと判断、当該のコンテンツはシリーズ最終まで走り切り、今でもネットで公開中です(「親子正麺」で検索)。「自信を持ってやれ、あとは俺が責任とる」というマッチョなボスでもいたんでしょうか。素敵です。今回も頑張って欲しいですね。

私たちは誰もが「嫌いだ」と感じる自由を持っています。でもその自由には「嫌いだからヤメロ」という権限は備わっていません。「嫌い」と「ヤメロ」は似ているけど全く違うものです。

もし仮に、今回の広告がどストレートに「エロい」意図を持って制作されたモノだったとしても、それは広告表現者の権利と責任によって発信されたものであり、誰も「嫌い」以上のカウンターは打てないし、それが正解です(詳しく知りたい方は「囚われの聴衆事件」を調べてみて下さい)。

コレ、大げさではなく「表現の自由」という、先人たちが血を流して手に入れた権利に直結する、大事な話なんですね。だからこういう案件はマメに見つけては都度「違いまっせ」とチクチク指摘することが重要だと思っています。

今後も見つけ次第チクチク指摘しますので、どうかお付き合い下さい。

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトル・画像はFORZA STYLE編集部によるものです。

ソースリンク

赤いきつねと非実在型炎上

赤いきつねと非実在型炎上

鳥海不二夫

東京大学大学院工学系研究科教授
2/20(木) 9:31
炎上する赤いきつね(ChatGPT生成)
赤いきつねの炎上
赤いきつねの新CMが性的ではないかと炎上したという記事が流れましたが,それは非実在型炎上ではないかという指摘があり炎上しているようです.

ややこしい.

非実在型炎上とは,メディアなどが実際には炎上していない事象についてあたかも炎上しているかのように取り扱うことで,実在しない炎上させた人たちを非難するなど別の炎上が生じる現象のことを言います.・・と思っています.

しかし,炎上が実際に非実在だったのかどうかはデータをちゃんと見てみないとわかりません.そこで,実際メディアで扱われるまでにはどの程度のポストがX上にあったのか分析してみました.

なお,本分析結果は,当該CMの良し悪しについて結論を出しているものではありませんのでご注意ください.

時系列分析
まず,どのタイミングで炎上がメディアに使われたのかというところですが,とりあえずYahooNewsにも転載されたネットメディアLASISAの記事が2月17日6時頃配信されており,本件を炎上と表現した初期の記事のようですので,そちらに注目してみましょう.

カップ麺【赤いきつね】アニメCMが “性的表現”? SNSで炎上、「エロ要素なくない?」反論も… あなたはどう思う?

によると,

 同月16日頃から拡散され、同日22時までに3500万回以上の表示回数と、2.2万件以上の“いいね”、1万件以上のリポストを記録しています。

とのことです.

とりあえず,Xにおいて2月16~18日に「赤いきつね」が含まれる投稿がどのくらいあったのかを調べてみました.その結果がこちら.

赤いきつねのXにおける投稿数(筆者作成)
1時間ごとの投稿数を示していますが,2月16日の段階でポスト・リポスト合わせて15,000件ほどありました.炎上としては小規模です.ただ,18日まで含めると21万ポスト程度となるので,ここまでくるとそれなりの炎上といってもよさそうです.

リプライ分析
炎上の出元を見ていくといくつかあったようですが,東洋水産の公式アカウントで当該CMを紹介したポストのリプライ欄にはかなり多くの意見が寄せられていたようです.

こちらのポストについた投稿時から2月16日16時までの500リプライを根性マイニング(筆者が目で見て頑張って判断するマイニング手法)を使って,批判的かどうかの分類を行いました.

その結果,2月6日の投稿から15日までは批判的なリプライは全く存在しませんでしたが,16日から批判的なリプライが増加したことがわかりました.批判的リプライの変化は以下のグラフ通りです.なお,累積でカウントしているため,縦軸は批判的リプライの総数となります.ちなみに500リプライしか分析していないのは,筆者の根性が切れたからです.

批判的リプライの累積数(筆者作成)
この結果からみると,500リプライ中批判的リプライは63件で,全体の12.6%でした.リプライから見る限り,批判的意見がなかったということはありませんが,それほど大きなものではなかったようです.

クラスタ分析
先ほどは東洋水産のポストへのリプライを分析しましたが,それ以外のところで炎上していた可能性も十分にあります.そこで,「赤いきつね」が含まれるポストを収集し,その中から「赤いきつねのCMが性的だ」「キモイ」とする,投稿と,「そんなことはない」という反論を分類してみましょう.ここでは,拡散の多かったツイートの分類を行ってみました.2月16~17日の炎上初期のデータのみに注目して分析しました.ここには26,496ポストと,102,166リポストが含まれていました.クラスタリングした結果が以下の通りです.

クラスタリング結果(筆者作成)
右側にある比較的小さい塊がCMが「性的である」というポスト群で,左側にある塊がそれに対する反論系です.ここでは,数の多い反論クラスタをA群,性的であると主張するクラスタをB群としましょう.
ざっと計算したところでは,

A群にはポスト数386,リポスト数68,018,アカウント数38,466

B群にはポスト数175,リポスト数11,931,アカウント数5,769

でした.リポストベースで5倍,アカウントベースで6倍くらい反論クラスタが多そうです.少ないとはいえ,2月17日まで含めると「性的である」という主張についても1万回以上の拡散があり「実際には存在していない」意見について炎上しているわけではなさそうです.あれ?非実在とは.

拡散分析
次に,どのタイミングでどちらのクラスタの拡散があったのかを累積で求めてみました.非実在型炎上だとすると,「性的だ」という主張もメディア記事が出た後に急増した可能性がありますので,メディア記事の前にどのくらい存在していたのかの確認を行います.

その結果が以下のグラフです.ただし,このグラフでは拡散数はオリジナルポストが投稿されたタイミングでカウントされていることにご注意ください.いくつか急激な増加がありますが,拡散がそのタイミングで一気に起きたわけではなく,拡散のもととなるオリジナルポストが投稿されたポイントだと思ってください.

各クラスタの拡散の変化(筆者作成)
この結果から,当初はB群(性的主張)のクラスタの拡散が一定数存在していましたが,2月16日の正午くらいにはすでにA群(反論側)の方が多くなっていることが分かります.先に挙げた記事が2月17日の6時くらいに出ていますが,その時点まででA群,B群合わせて3万程度の拡散でした.その後当該記事が出た後に一気にA群(反論側)の拡散が増えていったことは間違いないようです.その後,2月17日11時ごろGLOCOM小木曽さんのYahooのコメンテーターコメントがX上で言及され「非実在型炎上」という言葉とともにA群(反論)の情報の拡散が増加したようです.

ただし,実際に性的だという主張が全くなかったわけではなく,2月16日のうちに1万近い拡散が存在していたため,完全に非実在型炎上だというのは難しいかもしれません.
過去の非実在型炎上の事例を見ると,ウマ娘の件だとトータルで71件だったり,鬼滅の刃の作者が女性だったことで炎上したという件だと全体の0.5%だったり,非実在型炎上という言葉を最初に使ったコロナ禍初期の「東京脱出タグ」や「サザエさん炎上」でも100件程度しか元のツイートはなかったということを考えると,1万件近くの拡散はあったので,「非実在」というには多すぎる気がします.

1万回拡散されれば十分トレンドに乗りますからね.

結論
赤いきつねの炎上は非実在型炎上であるという言説が流れていましたが,分析の結果,確かに赤いきつねのCMに対する批判は少なかったものの,ほとんど存在しないといえません.さすがに1万リポストは「小規模な炎上」ではあっても「非実在」ではないでしょう.2020年くらいに我々が提唱した非実在型炎上という概念が本件で急に注目されたので,非実在型炎上であった方が個人的には盛り上がったのですが,データを見た限り「赤いきつねのCMの件は非実在型炎上とは言えない」が結論です.非実在型非実在型炎上?

非実在型炎上という言葉がキャッチーだったため「赤いきつねのCMの炎上は非実在型炎上」と広まってしまったようですが,データを確認することは大切です.実のところ,そもそもどのくらいの規模から炎上という定義もないので,データを確認したうえで「このくらいの数なら非実在型炎上だ」というのであれば,そういう捉え方を否定するものでもありません.

しかしながら,非実在型炎上かどうかはさておき,一部メディアが小規模な炎上をあえて取り上げることによって,本来であればそれほど注目されなかったであろう炎上を大きくするという風潮に本事案が当てはまっていることは間違いありません.「炎上している」という情報はバズりやすいわけですからメディアやインフルエンサーが小規模炎上を煽るのはよくあることです.「炎上しているらしい」という話に関しても本当に炎上しているのか,注目を浴びるために小規模炎上を大げさに言っているのではないか,といったことまで注意しながら情報を摂取するように気を付けないといけないのが今の情報空間です.大変だ.

本炎上のまとめ:

赤いきつねのCMが炎上したかと思ったら非実在型炎上だったと思って調べたら実在している小規模な炎上だった.

やっぱりややこしい.

ちなみに,2月16~18日の間に「非実在型炎上」「非実在型ネット炎上」は18,848回拡散されたようです.むしろ「非実在型炎上」が小規模に炎上したといってよいのでは!?

ソースリンク

その炎上は本物?「非実在型炎上」の現状とその影響【第47回ウェビナーレポート】

その炎上は本物?「非実在型炎上」の現状とその影響【第47回ウェビナーレポート】

ウェビナー #ゲスト #コタツ記事 #ファクトチェック #フェイクニュース #東京五輪 #非実在型炎上

公開日:2021.05.05 最終更新日:2025.01.14

ネット炎上の予防や、万が一炎上したとき
の対策について専門家に相談したい
目次

情報の氾濫がもたらすインフォデミック
デマを拡散しているのは誰?
個人の努力で防ぐのは困難な「非実在型炎上」
「本当に炎上しているのか?」と疑うことが大切
情報の氾濫がもたらすインフォデミック
桑江:まずは炎上件数の月別推移ですが、2021年に入って増加に転じています。3月は224件で、過去最多だった昨年4月(246件)と同水準に達しました。
ただ、新型コロナウイルス関連の炎上割合が減ったのが特徴です。3月は9件のみで、それ以外は個人の話題やメディアなどの記事を基にした案件、東京五輪や女性蔑視関係の炎上が目立ちました。
一方、ネットメディアが煽る炎上記事の中には、根拠のない嘘による「非実在型炎上」が含まれることも理解しておかなければなりません。

鳥海:2020年頃から、インフォデミックという現象が話題になっています。大量の情報が疫病のように伝染していく様子を表していて、多過ぎる情報が現代社会に大きな混乱を与えているということです。
情報はもともと、なかなか手に入りにくいものでした。20世紀まではどうしたら必要な情報を得られるかということに終始していましたが、21世紀に入ると一気に様変わりし、本当に必要な情報をどう取捨選択すべきかに悩む時代になりました。そうした状況を突いているものの1つが「非実在型炎上」かと思います。

桑江:フェイクニュースも一緒ですが、確証のない情報をむやみに共有・拡散しないようにしなければなりませんね。メディア側が「炎上」とタイトルを付けた記事を報じても、ページビュー(PV)数さえ増えなければ徒労に終わるので、ネガティブなサイクルを止める手段の1つになりますから。

鳥海:ネット社会の考え方にあるのは「注意(アテンション)を引くことこそに価値がある」というアテンションエコノミーです。メディアの大きな収入源は基本的に広告で、閲覧数の多寡に応じて広告収入が決まります。
経営的には閲覧数が多いほど良い記事だと判断されるため、そのための工夫をする。これがまさに「非実在型炎上」が作り出される原因です。

デマを拡散しているのは誰?
桑江:できるだけ多くの人の興味を引く記事を書くことを重視するあまり、真実性が置いてきぼりになってしまうことに関しては、メディアの責任を問う声もあります。

鳥海:「非実在型炎上」が誰にも知られずひっそりと存在する分には多分、問題がないんですよ。それが大きく拡散して本当に炎上してしまうことに問題があるのですが、拡散自体は誰のせいなんだということを考えてみましょう。
もちろん、記事を書いたメディアのせいでもありますが、ここで成り立つのが「ソーシャルポルノ仮説」です。炎上分析における客観的な知見として、特定のトピックにおいては一部のコミュニティのみに拡散する、一部の人だけに受けが良い炎上が存在することが分かっています。

桑江:なるほど。

鳥海:例えば、東京五輪エンブレムの盗作問題は、いわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる保守系の人たちが炎上させていました。当初決まったエンブレムが撤回された要因はネトウヨの活躍によるものだったことが分かっていて、偏った考えの人たちが炎上させたことで政策の1つが決定されてしまったことの是非は議論の余地があると思います。

桑江:我々が情報に接するときも、それが偏った見方ではないかと常に気を付けることが大切ですね。

鳥海:炎上させようとする人たちは社会を何とかしたいというわけではなく、どちらかと言うと楽しんでいるのではないかということが見えてきます。
コンテンツを消費するのは快感を得るのが目的で、知識を得たり情報を広めたりするためではないというわけです。これが「非実在型炎上」に大きな影響を与えているのではないでしょうか。
消費財としての情報は、興味を引く話題として拡散されるケースがあります。「自分はこんな話を知っている」という優越感、あるいは嫌いな有名人などが悪いことをしているらしいと聞いて「バッシングされればうれしい」という快感を得るために使われる場合も同様です。

桑江:エコーチェンバー現象のようなものでしょうか。

鳥海:人は似たような情報を好む者同士でクラスターを形成すると言われます。同じような価値観を持つ人たちの中では願望も共有できるのです。
こうしたことがエコーチェンバー現象と結び付くことで「非実在型炎上」が拡散します。これにより、アテンションエコノミーの考え方に基づくメディア側も存在しない炎上を報じる記事を作るインセンティブが生まれてくるというわけです。

桑江:そうしたネガティブなサイクルが平常化してしまっているところがありますね。

個人の努力で防ぐのは困難な「非実在型炎上」
鳥海:もう1つ、拡散の要因として考えられるのがスラックティビズムです。手軽な手段で社会的に貢献した気分になることですが、Twitterで言えば「重要そうだ」と思った情報をリツイートしただけで「良い情報を広めた」という満足感に浸ることです。
情報の正しさを確認する労力は使わないため、災害時のデマの流布などの要因にもなり得ますが、自分は正義の味方であるという虚栄心を満たす道具として使われている可能性があります。

桑江:「ネット警察」や「自警団」と言われることもありますが、悪気があってやる人もいれば、義憤に駆られて犯人探しに動いてしまう人も実際にいるのかなと思います。個人だと自己顕示欲がモチベーションになるのではないかというところですね。

鳥海:人間には公正世界仮説、つまり「人間の行いには公正な結果が返ってくる」と考える認知バイアスがあります。誰かが炎上していると聞くと「その人は悪いことをしたから罰が当たった」と解釈して情報を広めがちです。
行動経済学には反射的に働く「システム1」と、人間的で理性的な活動の「システム2」という考え方があります。人間はシステム1が最初に動くので、情報を見たときに「これは面白い」「快感だ」と思うと、それに従って行動してしまいます。じっくり考えて本当かどうか調べようという行動は、根本的に難しいんですよね。

桑江:最初に与えられた情報を信じてしまいやすいと。

鳥海:結局、すべての情報を適切に処理することは不可能です。だまされて乗っかってしまいやすいというのは「非実在型炎上」もフェイクニュースも同じですが、そもそも「システム1」で動く人間に「システム2」を期待するのは無理があるでしょう。
もちろん「気を付けましょう」という話はします。ただ、個人の努力に頼るのは限界があり、人間がシステム1に影響されることを前提とした社会システムを構築していかなければなりません。
つまり、「非実在型炎上」を生み出すメカニズムの半分は我々が担っているということを自覚しながら対処する必要があるのです。

「本当に炎上しているのか?」と疑うことが大切
桑江:フェイクニュースに対しては、ファクトチェックという抑制方法が出てきました。「非実在型炎上」を作り出すことが多いコタツ記事も「個人や小さいメディアでも記事を出せる」という自由を確保しながら減らせる方法はあるのでしょうか。

鳥海:コタツ記事が良いか悪いかという論議がありますが、確実に世の中の役には立っているんですよ。そのような記事を読んで楽しむ人たちはたくさんいるので。事実ではないから悪いことだと一刀両断すべきなのか、あるいは人を楽しませているから良いと判断すべきかということです。仮に抑制するにしても、どこまでそうしたらいいのかを決めるのは難しいですよね。
もっと言えば、フェイクニュースに対するファクトチェックもどこまで役に立っているのかということです。ファクトチェックは万能ではないんですよね。
基本的には、我々が読む記事にはコタツ記事もフェイクニュースも混ざっているという認識を持つことが必要で、みんながそう思っていればマシだと思います。

桑江:我々も「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)という団体に参加させていただいていますが、基本的にネット上の情報なら事実関係や出所は追えると思います。
元となる情報自体がディープフェイクのように作られたものかどうかを技術的にどう調べるかは難しい面もありますが、いろいろな方が発信している情報を探していけば何とかなるのではという気がします。

鳥海:ひと口にファクトチェックと言っても、怪しいファクトチェックをするところもあります。また、ファクトチェックの結果を真実と思うかは人によって異なってくるでしょう。
例えば、40件のネガティブな書き込みを見て「炎上した」と感じる人がいる一方、「たったそれだけ」と意に介さない人もいます。ファクトチェックの信頼性だけでなく、真実性をどう考えるべきかというのも難しいところです。

桑江:フェイクニュースの言説の中で「事実と真実は異なる」という考え方を土台にして解説される方も増えてきました。そのあたりをしっかりと別で考えていくことが重要ですね。「非実在型炎上」に企業が巻き込まれた場合、どう対処すれば良いでしょうか。

鳥海:すぐに「炎上などしていない」と主張したくなるかもしれませんが、まずは3日間寝かせるのが正解だと思います。「非実在型炎上」が報じられてから1カ月後くらいに、データと共に反論するのが1つの方法です。
本当に炎上していない場合は、ネット上の2次反応が自社に対して否定的なのか肯定的なのかを見極めましょう。「炎上していない」という意見が優勢なら味方が多いという意味なので、それこそ放置が必要ですね。
「炎上しています」という記事が出たら、まずは本当に炎上しているのかを調べるのが大事になってきたということではないでしょうか。

桑江:実態をしっかり把握しなければならないということですね。

鳥海:はい。そのような場合は、デジタル・クライシス総合研究所に相談するのが一番良いと思います。

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けつろん


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