『カラフル』では「自由でいよう!」「カラフルでいよう!」と客席とのコール&レスポンス。
『風船』を経て披露された『BAD-BYE!』の前には、「みんなにも後悔してる別れってあるんじゃないの?」と語りかけた。
まだ二十歳を少し過ぎたばかりの彼女が語る“別れ”。そんな言葉は重みが足りない、と穿った見方をすることもできる。
けれど自分の浅はかさに首を振る。酸いも甘いも知っているから深く傷つくのではない。全力で好きになるから深く傷つくし、全力でぶつかるから後悔できるのだ。
そらの歌詞が私たちに刺さるのは、その真っ直ぐさのせいだろう。
続いてライブ前半最大のハイライトとも言える『ロックンロールに恋をしたんだ!』。
らそんぶるを一気に加速させた1stデジタルシングルだ。
曲前のMCでそらは軽音サークルに入ったばかりの頃の話をした。
アンプの使い方も分からなかったこと。
小さくて暑い楽屋。
全然かっこよくない音。
でもその頃の自分には、それらが世界で一番かっこよかったこと。
そして今もなお、その初期衝動に背中を押されていること。
「でも、この景色を見たら初期衝動で終わらせちゃいけないって思う」
その言葉に、この2年間の歩みが凝縮されていた。
結成からわずか2年。
それでも彼女たちはもう、誰かの人生の1ピースになっている。
私たちの心の隙間を埋めてくれる存在になっている。

さてバンドとしてらそんぶるは作詞作曲そしてボーカルを務めるそらのワンマンチームだと思われかねないが、ライブを見るとそれが間違いであると気付く。奔放になりがちなそらの感情を、粒が跳ねるかのようなメリハリあるサウンドで3人がまとめているからこそ、ロックとして成り立っているのだ。
私の個人的感覚としてそらは奔放な末っ子、実はリーダー役の冷静ななんちーと、SNS運営やグッズ製作を担いみんなを引っ張るゆーは双子の姉、そして3人を見守る母親のみやびというイメージだ。



後半戦では『ストロベリームーン』『もしも』『夢見がちガール』『オーライ』と続く。
そしてこの日のライブで最も印象に残ったのは『いつかまたひとりぼっちだったら』前のMCだった。
「全部守りたかったけど、そんな器用なことはできなくて」
「一番大事なものだけは失わないように」
「愛するために何かを捨てなきゃいけないんだなって知りました」
そらの歌には、失うことへの不安が何度も登場する。
人に言えない孤独を押し込めて生きている多くの人に、そらの隠さない不安が応援ソングというオブラートに包まれて届けられている。
だからこそ、SNSで偶然出会った人たちの心も掴んできたのだろう。
若いファンは「歌詞が共感できる」と言う。
一方で最近おじさんを始めた私は、失ってきた失いたくなかったものそのものを歌う【らそんぶる】という音楽に胸が苦しくなる。
同じ曲なのに、届く場所が違う。
それでも心を動かされる。
それがらそんぶるの面白さだ。

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